起業を考える際、持っている資格がどのように役立つのか、また自分が起業を考えている分野で役立つ資格は何か?
また、それぞれのビジネス分野での具体的なメリットを解説します。
資格がもたらす信頼性の向上や、専門性によって競争力を高め、ビジネスチャンスを広げる方法を詳しく解説していきます。
起業に役立つ資格とは?その意義と効果を解説
起業を考えている方にとって、「自分が持っている資格が役に立つのか?」気になるところですよね。
今回は、資格が起業にどれだけ役立つのか、具体的な例を挙げてご紹介します。
起業に資格がもたらす具体的なメリット
まず、資格は信頼性がアップするということは間違いないでしょう。
例えば、飲食業を始めたい場合、衛生管理者の資格があれば、お客様に安心して食事を提供できることをアピールできますし、建築やコンサルティング業界であれば、それぞれの専門分野に関連する資格があると、専門性が高いと評価され、より多くのクライアントから信頼を得ることができるはずです。
資格を取得したということはその分野の知識や技術があることが証明されますので、競合他社との差別化を図ることができ、ビジネスチャンスを広げることが可能です。
この他にも、資格が起業に与えるメリットは数多くあります。
必要とされる資格の種類
起業を目指す際に、どんな資格があると役立つのか気になりますよね。
飲食業を始める場合、食品衛生責任者の資格が必要になることがあります。
また、IT業界での起業を考えているなら、情報処理技術者試験の各種資格が役立つでしょう。
ただしIT業界での起業に資格は必須ではありません。上でも述べた通りクライアントからの信頼性のアップにはなるかもしれません。
建設業で事業を展開する場合は、建設業の許可が必要となり、それには建設業経理検定などの資格が求められることがあります。
不動産屋で独立したいのであれば宅地建物取引士の資格が必要であり、このように、業種によって求められる資格は大きく異なりますので、自分が目指す分野の資格についてしっかりと調べ、準備を整えておくことが重要です。
資格トップ9のメリットを徹底解説
税理士
ひょっとして税理士の資格をお持ちですか? あるいは、税務に関する深い知識があるなら、それがどれほど起業に役立つか、ちょっと考えてみましょう。
まず、税理士資格は、会社を運営する上で絶対に避けられない「税務処理」を自分で行えるという大きなアドバンテージがあります。
税金の計算や申告、節税対策など、正確かつ効率的に管理できるので、初期費用を抑えつつ、法律を守りながらビジネスを展開することが可能です。
さらに、税理士としての専門知識は、投資家やビジネスパートナーからの信頼を得やすくなる点でも大きなメリットです。
財務の透明性は、安心して投資を決断する上で重要な要素。自分がしっかりと内部管理を行えていることを示すことができれば、ビジネスの信頼性がぐんと上がります。
税務の知識は、会社の利益に直結しますので、節税対策を駆使することで、利益を最大限に保つことが可能ですし、資金繰りの改善や再投資につながり、事業の成長と安定を得ることができます。
税理士資格を持っていることで、これらの面で大きなアドバンテージを持ってスタートできるので、起業を考えている方にとって非常に価値のある資格です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営のあらゆる面に精通していますので、その知識がこれから自分のビジネスを立ち上げる際に非常に役立ちます。
- 経営戦略の策定
- マーケティング
- 人材管理
- 財務管理
など、企業運営に必要なスキルを総合的に身につけています。
新しい事業の計画を立てたり、事業を効率的に運営したりすることができる資格でしょう。
また、問題が発生した際の対処や、事業拡大の戦略を練る際にも、その知識が大きな力となります。
起業は決して簡単な道のりではありませんが、中小企業診断士の資格を活かすことで、一つ一つのステップを確実にクリアしていくことが可能です。
事業を成功させるための強い味方になってくれるはずです。
社会保険労務士
人事や労務管理のエキスパートである社会保険労務士の資格を持っていると、従業員の採用から退職まで、その間の給与計算や社会保険の手続きなど、企業運営に必須な労務管理の全てを自らの手で行うことができます。
具体的には、就労規則や法に基づく適切なアドバイスができ、トラブルが生じた際の対応もスムーズに行えるため、企業の信頼性を高め、従業員からの信頼も得やすくなります。
また、労務リスクの管理を自分で行えるため、外部に依頼するコストを削減することができます。
起業初期は特に、資金の節約による効率的な運営が求められますので、社会保険労務士の資格は大きな強みとなります。
この資格を活かして労務管理だけでなく、人事コンサルティング業務を展開することもできますので、自分の会社を持つだけでなく、他の企業に対しても専門的なサービス、コンサルティングなども展開できるのです。
行政書士
行政書士は許認可申請を得意としています。
例えば、飲食店を開業する場合、食品衛生責任者の許可や、店舗の建築に関する各種許可など、多くの申請が必要です。
これらは専門的な知識が求められるため、自分で行うには大変な労力が必要ですが、行政書士の資格があればスムーズに、そして正確に進めることができます。
また、法律文書の作成スキルも非常に重要です。契約書や規約など、ビジネスを行う上で必要な文書を作成できる能力は、トラブルを未然に防ぐためにも欠かせません。
特に起業初期は、こういった文書がビジネスの基盤を作るので、正確さが求められますので強みとして活かせるでしょう。
宅地建物取引士(宅建士)
宅地建物取引士の資格、略して「宅建士」って聞いたことありますよね?
当たり前ですが、不動産の取引に関わる際にすごく役立ちます。
起業して不動産業にチャレンジしたい方にとっては、ゴールドカードみたいなものです。
まず、宅建士の資格を持っていると、不動産取引のプロとして認められます。これが大きな信頼の証。お客さんから見れば、「この人なら大事な不動産の取引を任せられる」と安心してもらえるわけです。つまり、信頼性が増すわけです。
また、宅建士の資格があれば、不動産会社を自分で立ち上げる際にもスムーズですし、不動産取引を継続して行う不動産投資ビジネスを1人で行うこともできます。
また、宅建士は法律や契約の知識が豊富なので、取引の際のトラブルを未然に防ぐことができます。これがまた、長い目で見ると大きなメリットです。トラブルは時間もお金もかかるものですから、それを減らせるのは起業家にとっては大きな強みになります。
ITパスポート
ITパスポートを持っていると、技術的な問題に直面した際、外部の専門家に頼る前に自分で問題の所在を理解し、適切な対応を取ることができるようになります。
コスト削減はもちろん、問題解決までの時間の短縮にも繋がります。
また、起業してビジネスを運営する上では、最適なITツールの選定や、システム導入など、IT関連の決断が求められる場面が多々ありますので、ITパスポートの知識があれば、これらの決断を正確に行うことができるでしょう。
さらに、データの保護という観点からもIT知識は必須です。
個人情報の扱いやセキュリティ対策の基本を理解していることは、ビジネスの信頼性を高め、顧客からの信用を得る上で大きな強みとなります。
このように、ITパスポートは起業初期の段階で直面するであろう多くの課題に対して強みとなります。
ITパスポートは合格率50%以上もあるとても取得しやすい資格ですので、ぜひこの機会に取得を考えてみてはいかがでしょうか。
ファイナンシャル・プランナー(FP)
この資格を持っている方は意外と多いかと思います。
資金計画や資金の管理を手堅く行える資格のため、資金が限られているスタートアップでは、資金の使い道を正確に把握することで事業を成功させやすくなるかもしれません。
FPの資格を取得することで、金融の専門知識が身につきますので、資金調達の方法、投資の基本、税務に関する知識など、ビジネスを運営する上で必要不可欠な情報が得られます。
自分自身のビジネスだけでなく、将来的には他の起業家へのアドバイスとしても活用できるため、非常に価値があるといえるでしょう。
また、FPとしてのスキルは、不確実な市場や経済状況の中でも、自社の財務を安定させる戦略を立てるのに役立ちますので、リスクを管理し、長期的なビジネスの成長と維持をサポートすることができます。
自己資本を最大限に活用して事業を成長させたい、資金の流れをしっかりと管理したいと考えているなら、FPの資格は非常に有効です。この資格があれば、起業の際の不安を少しでも解消し、より確かなスタートが切れるはずです。
FP3級の合格率は80%を超えているので、受かりやすい資格なので是非挑戦してみてはいかがでしょうか?
職業訓練指導員
起業を考えている方が、もしかして持っている職業訓練指導員の資格、それがどれほど役立つか知っていますか?
この資格は、人材育成や教育業界でのビジネスを立ち上げるときに、力を発揮してくれます。
まず、職業訓練指導員の資格を持っているということは、教育やトレーニングに関する深い知識と技能を持っている証拠です。
これは、教育関連のビジネスを始めたいと考えている方にとって、大きなアドバンテージになります。たとえば、新しいスキルを学びたいと考えている大人向けの何かのトレーニング事業を開く時、この資格があれば、信頼性や専門性をアピールできますし、カリキュラム作成や指導方法の設計に自信を持って取り組むことができるでしょう。
この資格は、企業向けの人材研修業務を手がける際にも役立ちます。
多くの企業は、従業員のスキルアップのため、外部の専門家に依頼しています。
職業訓練指導員としての経験と知識があれば、これらの企業に対して研修プログラムを提供したり、企業のニーズに合わせたカスタマイズしたトレーニングを行うことができるわけです。
オンライン教育の分野でも、この資格はさらに価値が増します。
インターネットを利用した教育プログラムの設計や運営にも、教育の基本原則は欠かせません。職業訓練指導員の資格があれば、オンラインでの指導に必要な教材の開発、効果的な学習管理システムの構築について、専門的に進めることができるでしょう。
プロジェクトマネージャー(PM)
国家資格であるプロジェクトマネージメントの資格がどれほど役立つか知っていますか?
この資格は、プロジェクトの計画、実行、監視、そしてコントロールといったプロセスを効率よく管理する方法を学べます。
起業初期では、リソースが限られている中で、どのように時間や予算を最適に配分するかが成功のカギを握ります。
プロジェクトマネージメントの技術を持っていると、これらの課題に対してリスクをうまく管理しながらプロジェクトを進めることができます。
また、この資格は、チームメンバーとのコミュニケーションや調整を円滑に行い、チーム内の役割分担と責任を明確にし、効果的なチームワークを構築ができるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?自分の持っている資格、また取得したい資格は見つかりましたでしょうか?
資格がないと起業できない分野もありますが、基本的には起業に必要な資格というものはありません。
自分が起業したい分野で活かせる資格を見つけて取得してみるのが良いでしょう。